HIKASU NEW RELEASE ヒカシューの新譜


TOCT-9683 2,500円

・11月7日に東芝から発売される『1978』は、
 全体で242ページ、写真が179ページのエキスパンド・ブック付きです。
 エキスパンド・ブックのCDlink機能を使った日本初のものです。
 是非、手にしてみてください。
・CDの注文は、CDSHOP1714で
収録曲目
プヨプヨ
20世紀の終りに
コンフュージョン
ドロドロ
スリル
炎天下
レトリックス&ロジックス
ヴィニール人形
ルージング・マイ・フューチャー
幼虫の危機
プラウド・メアリー

CD付属のテキストの最初の部分です。
東芝EMIからのデビュー盤を出す一年前、 ヒカシューはすでに興味深い独自の音楽を作っていた。 東京豊玉北六丁目の交差点から 細い路地を線路に向かった一軒家で、 雨戸を閉め、毛布を張り、激しいリズムマシーンの音を響かせていた。 当時のメンバーは、 巻上公一 ベース、ヴォーカル 海琳正道 ギター、ヴォーカル 井上誠  シンセサイザー、メロトロン 山下康  シンセサイザー、リズムマシーン 戸辺哲  サックス、ギター、ヴォーカル 平均年齢23才の5人だった。 折しもパンク、ニューウエイヴという 欧米の新しい動きのはじまりと、 シンセサイザーがやっと身近になりはじめた頃だった。 コードを張り巡らした実験室のような畳の部屋で、 演奏のようでない演奏と歌のようでない歌、 バンドとは思えぬ格好をして、マイクに向かっていた。 その録音は、一般からすれば演奏が下手で奇妙で、 雑音まじりのものだが、 いつかの夏の日の、雨あがりの、虹の、淡い光のように、 もう手にいれることのできない 音の不思議があったと思う。 その魅力はいつまでも強烈に耳を、意識を、 くすぐり離さない。 今回、その秘蔵の音源を発表するにあたり、 当時の資料をデジタルデータとして付随することにした。 それは、今年、北九州で ボイジャージャパンの萩野さんと祝田さんの エキスパンド・ブックの講演に参加して、 誰にも開かれた電子出版の可能性と、 CDそのものとリンクできる機能に興味を持ったからだ。 試しに歌詞をクリックしてもらえば、 CDがそのまま演奏されるはずだ。 なお、ここに収められている主なテキストは、 81年に講談社から発売された ヒカシューの「ぼくこんなにおバカさん」からのものだ。 ヒカシューの生成、ネーミングについて、 戸辺哲のメンバー紹介、耳が聞こえねえんだ、 を当時のまま収録した。 ヒカシュー的電子楽器群は、 新しく井上くんに書き下ろしてもらった。 また、履歴の発掘は、 ヒカシューの一枚目「ヒカシュー」の ライナーに添えられていたものをそのまま載せた。 ヒカシューの記憶は、 ずっとヒカシューを撮ってくれている カメラマンの滝本淳助氏に 膨大な数の写真を提供していただいた。 そして、雨戸で閉じられた暗い部屋と ライヒ館モレノというライブハウスでの秘蔵ムービーは、 石川敬三氏によるものである。 その後の座談会は、このために行った。 当時のメンバーによる屈託のないとりとめない話を ほぼそのまま載せた。 いずれも本人にとって 気恥ずかしい面を持っているけれど、 なにものにもかえられぬ貴重な面があると信じて 収録している。 巻上公一              96年8月18日 
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