FESTIVAL NEO-VOICE #1 出演者 プロフィール

天鼓(tenko)
80年代初頭にニューヨークの即興演奏に触発され、独自の“ヴォイス・パフォーマンス”の世界を創りあげる。
「声を楽器に近づけるのではなく、より肉体に近づけるスタンス。あるいは声と肉体の関係を音楽のクリシェを介さずに見つめる視点。
'彼女以前'と'以降'とでは、欧米における即興ヴォイスそのものの質が大きく変質した(大友良英)」。
85年のメールスジャズフェス(ドイツ)以降、世界20カ国以上でのフェスティバルの出演、CDの発表、ワークショップなど、
ヨーロッパ・日本・アメリカで、エクスペリメンタルな活動を続けている。
09年にはヴォイスソロのヨーロッパツアー。最新の即興ユニットは、
パンク・ジャズ・クラシックなど様々な音楽分野の女性ミュージシャンで構成された“うにごはん”。
1953年生まれ、魚座。
http://tenko-voice.com

公演にむけて

ロケットがなくても宇宙(そら)へ行ける
潜水服などなくても深海で遊べる
完成など、望みもしない
未完のものこそが生きているのだから

とても遠い処から、たどりついたのはこの体、この声
見るがいい。この声の中に
解き放たれることの幸福な苦しみを
永劫を生き続ける、あなたを、わたしを



さがゆき
東京出身。5才にして歌手になることを決意。
言葉を伴う「うた」を歌う歌手であると同時に、言葉の伴わない「声」を楽器としたフリーキーで幻想的な「完全即興」を歌う。
舞踏、詩、絵画などの様々な現代のアートにも自在に出入りし、その鋭い触角で自己の能力を増幅しつづけている。 '09年には高橋悠治作曲「眼の夢」の初演も行う。定期的に「完全即興ワークショップ」も行っている。

公演にむけて

はじめて嬉しかったこと はじめて悲しかったこと
はじめて驚いたこと はじめて愛おしかったこと

その時のキモチって きっと「声」になって
カラダから、タマシイから 発せられたんだろうな
シャボン玉みたいに七色に光ながら 広い高野を走ったり、海路を知り尽くしたり、
小さな石を加工したり、大きな鳥を操ったり、
大人だったり 子供だったり 男だったり 女だったり
いいヤツだったり やなヤツだったり
人を助けたり 傷付けたり  泣いたり 笑ったり

ぼくらはいろんな記憶をどこかに抱えながら
今 こうして この世界で息をしてるイキモノ

この日ぼくらは思い切り息をする
歌う 叫ぶ 笑う 囁く 
それらは一体 どんな色のシャボン玉になって 
眩く輝くんだろうか

みんなの「声」は きっと虹の彼方まで 飛んで行く
ぼくらはただ わくわく それを感じる 楽しむ
「はじめて」の はじまりはじまりノ

さがゆき



灰野 敬二(はいの けいじ、1952年5月3日 - )は、千葉県生まれ、東京在住の音楽家。ロック、サイケデリック、ノイズ、フリー・ジャズ、即興など、扱う音楽のジャンルは非常に多岐に亘る。一般的にはノイズ・実験音楽および現代音楽の系譜で語られる。その空間を切り裂く声は、すさまじいばかり。

公演にむけて

唄いたまえ、響きたまえ、導きたまえ
ここを産み落とした 聖なるものの本性を
     ひきずりだすために



巻上公一(MAKIGAMI Koichi) vocalist,producer 1956年 静岡県熱海市生まれ、在住。
ヒカシューのリーダーとして1978年から現在に至るまで作詩作曲はもちろん
声の音響やテルミン、口琴(こうきん)を使ったソロワークやコラボレーションを国内外で精力的に行っている
。声の音響による即興は、立体派、ダダ、フリーの系譜を継ぐ宇宙派を標榜。
スキャット、オノマトペ、楽器の模倣を越えた、抽象的なアバンギャルドを貫いている。

またトゥバ共和国の喉歌ホーメイは日本の第一人者として多くの歌手を育てているばかりでなく、
1997年から毎年トゥバやアルタイから名歌手を招聘、国際交流を組織し、
日本トゥバホーメイ協会の代表を務めている。
歌らしい歌から歌にもならないものまで歌う。自在な歌唱力には定評がある。
また、それらの音楽要素を駆使する演劇パフォーマンスのクリエーターとしても活躍している。
最近はいくつかのシアターピース(代表は宇宙語「チャクルパ」シリーズ)にも着手している。
世界のさまざまフェスティバルに招聘されている。


公演に向けて

声帯がダンスを踊るようなそんな夜です。



蜂谷真紀
(はちやまき 6月6日生まれ・双子座・B型) ボーカリスト、ボイスアーティスト、シンガーソングライター、ピアノ弾き語り 全身を楽器ととらえ、感じるままに「声」で空飛び「歌」で絵を描く歌い手。完全即興から、オリジナルやJAZZ、ノンジャンルの楽曲まで、国内外の個性と独自の世界感をもったライヴを重ねている。 アコースティク、エフェクト、VOICE SOLO、弾き語り...etc、その表現は様々で、どれもジャンルを越えた「音」であり「素顔」である。オリジナルを書き歌うこともライフワークで、「大原美術館80周年:絵画のための音楽会」への組曲作曲、 富永昌敬監督の映画作品、TV番組等に自作曲が起用されている。リーダーアルバムに「ミクロマクロ/Dream Vision」「木の声/KI no KOE」がある。

公演に向けて

ソロってほんとにひとりなのかしら?
見えないなにか?宇宙との共演なのかしら?
小さな通気口に気配を感じることだってあります。
声のひとり旅、この日は何処へ?



吉田アミ
1976年名古屋生まれ。前衛家・文筆家・音楽家。声からあらゆる意味と感情を剥ぎとり音そのものとする、超高音ハウリング・ヴォイス奏法の第一人者。1997年『spiritual voice』をリリース以降、国内外問わず精力的にライヴを行っている。2003年、セルフ・プロデュースによる99曲入りのソロアルバム『虎鶫』を発表。2003年、『astro twin + cosmos』でアルスエレクトロニカ・デジタル・ミュージック部門ゴールデンニカを受賞。2005年より雑誌やブログ「日日ノ日キ」などで文章を発表、音楽以外にも活動の幅を広げている。

公演に向けて

声〔voice〕を「究明せよ」と言い、
   「息絶えれば、生きられぬ」と返す。

声を問うとき、息〔breath〕にまで、辿りつかないのなら、
その議論は浅薄ではないでしょうか。

声にならない、求める声を聴き、
空洞たる内部より吐く、点々。
行き来する<それ>を許す。

以上でも以下でもない-------------ただの器官。
そうで在る。



ヴォイスムービー 出演者 プロフィール


鈴木美紀子
東京生まれ、横浜育ち。
普段は自分のバンドGo Everywhereでギターどボーカルを担当。その他いくつかのバンドでギターを弾いています。
天鼓さんのワークショップをきっかけに、ヴォイス団kuuに参加。その後即興演奏に参加する機会が増え、さまざまな表現者とさまざまな場所でセッションさせていただいています。

公演にむけて

生命体からダイレクトに発せられる音-声。
自身を超えた計り知れない情報量。

どんな交流が、通信がなされていくのか、とても興味深く思っています。



徳久ウィリアム
「ブラジル出身。声の拡張と新たな可能性を目指すボイスパフォーマー/ミュージシャン。ホーメイ、オルティンドー、タハリール唱法などの民族音楽的発声から、デス声、独自の「ノイズ声」まで、多様な声を操る。元「倍音S」。現在、SuaraSana、CharlieWilliamsなどのバンド活動をはじめ、即興セッション、前衛からポップスまで、ジャンルを横断した年間100本以上のライブを精力的にこなす。また、様々なジャンルのアーティストとのコラボ、朗読、ボイスレクチャー、ワークショップやイベント企画も行なう。 HP http://william.air-nifty.com メルマガ http://william.boo.jp/mm2.html」

公演にむけて

体が楽器であるため、声の表現はその人そのものがモロに現れる。
そして、その人が置かれている背景も現れる。
熟練した/してない声。自信たっぷり/自信の無い声。謙虚な/傲慢な声。
本人の力と伝統の力が合わさった時の自然の驚異のような声。
今回はどんな声/人が現れるんだろうか。



アキラサネマツ 1967年生まれ 映像インスタレーションを主とした美術家として90年から活動。「ふくい国際青年メディアアートフェ スティバル」(90年、最優秀賞)「ARTEC'91」(91年、優秀賞)や「Horizontal Tone」(01年、ICC)等 、個展、グループ展多数。 90年代後半から他ジャンルによるアプローチとしてCD「Ground-Zero/Consummation」(yang・sane名義、 98年)や時々自動の「時々自動的思考」(99年)のボランティアパフォーマー、「ヴォイス団KUU」のメ ンバー参加等の活動も並行して行なう。 2003年に拠点を福岡に移し、幾つかの個展、イベント企画および参加を行ない「第3回福岡アジア美術ト リエンナーレ」(05年、福岡アジア美術館)に参加。近年は福岡のコンテンポラリーダンスグループの 「selbst(ゼルプスト)」との共演等を通して様々な活動を展開している。

公演にむけて

ある時期に数年来暖めていた映像作品を完成させてから
時折、時間の止まった気分を覚えつつ、日々がずっと過ぎている。

今回の、複数の人間の声によって
映像を身体的な空間の場へ誘おうとする試み。

果たして、これが僕や共演者にとっての
これからのスプリングボードのひとつとなりうるだろうか?



檜山ゆうこ
檜山 ゆうこ  横浜市出身。
学生時代、映像芸術学を専攻し、パフォーミングアートに興味を持つ。小劇場での俳優・ダンサー経験を経て、巻上公一氏のワークショップに通う。以後、声と身体の可能性を探り、さまざまな演劇や、即興パフォーマンスに参加。 現代邦楽なども経験し、現在は女性3人のユニット「プリンのため息」で、分類不可能なパフォーマンスを定期的に行う。また、実験的な試みとして、演技をベースに、即興ボイスと即興ダンスを融合させた、フリーセッションにも参加。

○ 公演にむけて
マルでもしかくでも三角でもない声が出せたら。



ボロット・バイルシェフ
1962年生まれ。ロシア連邦アルタイ共和国を代表する歌手。伝統の喉歌カイや二弦撥弦楽器トプショールでの弾き語りや、縦笛ショール、口琴コムスでの演奏を行う。同国ウスチカンスク地区クルルク村生まれ。カザフスタンのバイコヌール宇宙基地での兵役時代に書いた「我が故郷クルルク」がヒットし、スター歌手となった。カザフスタンで開催の国際ポピュラー音楽コンテスト"Voice of Asia 92"にノミネートされ、ハカス共和国アバカンでの同グランプリを受賞した。その後ウェザー・リポートのジョー・ザヴィヌルとの共演など、ヨーロッパを中心に世界各国で演奏活動を行う。2000年〜2007年に、巻上公一の招聘で6回来日している。CDに『宇宙の命脈』(エキアタルレコード)、『アルタイのカイ 秘密の夢〜英雄叙事詩の世界』(キング)等。
http://www.makigami.com/bolot/



梅津和時(うめづかずとき) sax,clarinet
宮城県生まれ。70年代前半に渡米、ニューヨークのロフトシーンで活躍した後に帰国、1977年結成の生活向上委員会大管弦楽団で一世を風靡した。1981年にドクトル梅津バンド(D.U.B.)を結成、以後DIVA、シャクシャイン、ベツニ・ナンモ・クレズマーなどのリーダーバンドを結成、現在はKIKI BAND、こまっちゃクレズマ、新大久保ジェントルメンの3つのバンドを率いている。並行してRCサクセションのサポート、イアン・デューリー&ブロックヘッズへの参加、沖縄民謡の大工哲弘のプロデュースなど国内外の多様なミュージシャンと無数の共演、また、アケタの店に始まり現在ピットインで続く連続コンサートの「大仕事」、雑多で猥雑なキャバレー「大風呂敷」、練馬の農園を舞台とし「フェスタ・イン・ビニール」などイベントの主宰、多国籍混成Asian Fantasy Orchestra の音楽監督の一員、「我に撃つ用意あり」などの映画音楽、とその活動範囲は単なるジャズミュージシャンの枠を大きく越え、還暦を迎えた今も、精力的に活動中である。 ◇梅津和時オフィシャルサイトu-shi 
http://www.k3.dion.ne.jp/~u-shi/



山川冬樹 (やまかわふゆき)
ホーメイ歌手/アーティスト。1973 年、ロンドンに生まれる。自らの「声」と「身体」をプラットフォームに、音楽、舞台芸術、美術の境界線をまたにかけた脱領域的活動を展開。 身体内部で起きている微細な活動や物理的現象を医療機器などのテクノロジーによって拡張、表出するパフォーマンスで、国内外で活躍中。ホーメイ歌手としても、国際ホーメイフェスティバルでアバンギャルド賞を受賞、日本ホーメイコンテストでは、第1回、第2回共にグランプリと観客賞を受賞。



田口ランディ(たぐちらんでぃ)
1959年生まれ、作家。2000年に長編小説「コンセント」(新潮文庫)を発表し、本格的な執筆活動に入る。ジャンルを問わず広く人間の心の問題をテーマにした作品を発表。2001年「できればムカつかずに生きたい」(新潮文庫)で第1回婦人公論文芸賞を受賞。宗教、福祉、医療、社会問題など幅広いテーマで様々な層の読者を獲得している。代表作の「コンセント」は英語、イタリア語、中国語など七カ国で翻訳出版。「アンテナ」は映画化されヴェネチア映画祭参加作品となる。作品に「富士山」「ドリームタイム」「被爆のマリア」(文春文庫)「キュア」(朝日新聞出版)「パピヨン」(角川学芸出版)「蝿男」(文藝春秋)など多数。最新刊は「クレンズの魔法」(海竜社)「宙返りの練習」(東本願寺出版部)、近刊に「生きなおすにはもってこいの日」(バジリコ) 神奈川県湯河原町在住。最近は仏教に関心を寄せ、仏教説話「アングリマーラ」の現代語訳に取り組んでいる。



おおたか静流(おおたかしずる)
七色の声を自由に操り、ノンジャンル無国籍なエリアに生息。 <わらべうた>から<即興>まで、歌の守備範囲を日々広げているが、基本精神として”自由に羽ばたく鳥のように!”がモットー。映像、演劇、絵画、朗読、ダンス、テレビ、CM,映画等、 様々なシーンで活動し、且つ異ジャンル・コラボレーションに積極的である。「声のお絵描き」と称するヴォイスのワークショップを主宰。声の可能性を、あらゆる角度から観察、実験し、子供から大人、さらには国境を越えて、声で描く壮大で愉快なパノラマを展開する。 ニューヨークで注目の、ヨシコ・チュウマ率いる”パフォーマンス・アート”にて世界行脚中。 NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」にて、音楽制作及び歌唱を担当。 イスタンブール録音のニューアルバム「SERENADE/セレナーデ」好評発売中! http://www.sizzle-ohtaka.com/ http://www.songbirds.ne.jp/sizzle/


ヴォイスオペラ 出演者

富士栄秀也(ふじえ ひでや) ネイキッド・ヴォイス 天鼓に師事。とても人間らしく、それでいてバケモノの様に、声を出し たり出さなかっ たりしていたい。即興しか出来ないし、やらな い。因に、本名です。 2004年より、コラボラボoh-hoを主宰、即興表現の分野で、 従来のセッションに留まらない企画性のある即興表現のWS、セッ ションを毎月開催。 オーガナイザーとして、東京を代表する即 興WS主催団体5つを一堂に会した「自由即興フェスタ20 06〜2009」(新宿PIT INN)、ダンサー紙田昇氏と組んで 新しい即興世界を探る「即 興PLANET1〜5」、若手 ヴォ イスパフォーマーの祭典「V-1 GP2007」、ホス トもゲストもヴォイスオンリーのライブ「VOICE RING1〜5」等 のシリーズ企画を共同開催。mixiにもいます。日本即興協会、発 起人、運営委員。http://freeimprovisation.web.fc2.com/index.html


伊宝田 隆子 (いほだたかこ) 東京生まれ 絵画を学び、1994より岩下徹ダンスワークショップに参加。 1995より身体の水平状態から垂直状態に立とうとする衝動を丁寧に追いながら立っていく行為を「立ちたさ」と名付け、 自然の中や様々な環境で行為し、記録を取る。 また、写真家、舞踊家、イラストレーターなどアーティストとのコラボレーションにより作品を制作し、発表。 「 立ちたさ・・・」  どう立ちたいのか身体にききながら立つ ?重力に反して垂直方向へ立とうとする力とそれについていく身体を感じる ? 垂直方向への力と同時に体重が圧している水平面を感じる ? 立っていく事によって変化していくまわりの空間を感じる
公演にむけて

(ヴォイスとは)何だかんだ言って、いちばん心や身体、頭脳に入ってきやすいもので はないでしょうか? 音になっていてもいなくても、自由に空間や時間、身体を行き来 する そんなずるいもの。  身体が感じるヴォイスは、形や色、詩や思い、粒子だったり風だったりします。  今回は垂直方向に立とうとする私の身体に様々な声がぶつかり、通り過ぎていく中で、 どんな立ち方になるのか楽しみです。


ほいの(Hoino)
自ら即興ボイスパフォーマンスを思い付き、後に巻上公一氏のワークショップに通う。
ギターとのデュオユニット「劇団有」を結成。
バンド「Progressive Jazz Fake」に即興ヴォーカリストとして所属。
玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科卒業。 声楽を島村武男氏に師事。その他、演劇、ダンス、コンピュータミュージックを学ぶ。
インターカレッジ・コンピュータ音楽コンサート「IC2007」にて同大学の代表として作品を発表。
2007年、巻上公一氏主催の超歌唱オペラ「ウルルン・ソナタ」に参加。 2008年、富良野塾に入塾。翌年、自主退塾。
2009年、演技をベースにした、デュオによる即興ボイスと即興ダンスの融合型フリーセッションに挑戦。
同年8月、そのパフォーマンススタイルでマムシュカ東京7に出演。12月に自主企画にて「ピキニッコ」を上演。

公演にむけて

ああ、声・・・! 君が好きだ!!
向かいの家から聞こえてくる声に、僕は物凄い興奮を覚える。
そして僕から漏れいづる喘ぎ声に、僕は永遠の感動を覚える。
至高のハウリング状態。
もう、声さえあれば何もいらない。